理想の形がいいね

おうち時間を機に開設した一般男性の記録帳。

9bicから学んだメン地下

宇佐美りん「推し、燃ゆ」が熱い!推しているアイドルが暴行事件を起こして炎上するシーンから物語は始まり、本心を解釈したいという強烈な欲求を神経質そうな筆致によって長々とつづられ、いつの間にか共感させられていました。「今日も地球は丸いし仕事は終わんないし推しは尊い」という聞き覚えのあるようなフレーズを、あるべき場所に自然と落とし込めてるのは才能があるからでしょう。この主人公のような、推しのアイドル心理に寄り添いたい人が多い界隈は、自分の経験した範囲内だとメン地下が当てはまります。

 

メン地下はTwitterの世界だけだと信じてきた。文字+画像でしか知りえなかったから。過剰接触って本当は嘘だよねと。

でも、花札ブラザーズ(TRANPのYouTubeチャンネル)に出会って世界が変わった。っていうの盛ったけど、自分と大して歳が変わらないのに過激なことをやっているという事実には真っ直ぐ目を向けられなかった。

当時は公式HPすらなく、情報の発信源はTwitterYoutubeのみ。よって一般人にはほぼ知られることが無い。にも関わらず音源を殆どリリースしなくても、恵比寿LIQUIDワンマンに辿り着いたのには衝撃を受けました。

 

季節は過ぎ、同じYoutubeでハコイリムスコ(9bic)に出会う。Yapp!× 米村でプロデュースしているからという理由で最初は見ていましたが、クセの強いコール動画や、泥臭さを感じさせないスタイルがハマり、次第に前のめりになったのが2019年9月。当時は琉弥のオタクとしてハードに動いていたので、月に15本以上もライブをやると言えどもタイミングが合わず現場にはなかなか行かず。初ライブは11月23日に行われた【9box vol.4 ~Shiki Ryoga Birthday Event~】でした。独特の空間初体験に加えて、生誕祭というイレギュラーな要素が加わり脳内はキャパオーバー。生誕委員、ガチ恋口上、最後尾札。存在しない日本語を耳にすることにささやかな感動を覚えました。いたって普通の人が、推しとチェキを撮る瞬間に普通じゃなくなることにも。もちろんライブ自体も楽しかったし、市川くん生で見るとやはりかっこいいなーって。

その2日後に、推し・宮世琉弥のM!LK卒業が発表され、これは(琉弥くん卒業の)2月以降は9bic中心の生活になる運命なのか?と自問自答したよ。結果的には、新メンバーの追加もあり、9bicに割く時間が増えていき夢中になった。何かにとりつかれたように。

 

 

と、長い前置きはこの辺にして、本題へ。今回は9bicをささやかに応援してきた中で見えてきたメンズ地下アイドル業界について書きますね。

 

 

―読む際の注意点―

  • 筆者は、9bicでもメン地下のオタクでもないので、価値観の乖離が生じている可能性が高いです。
  • 本人も自称していませんし、僕自身も9bicがメン地下に含まれるとは……。ただ後述しますが、明らかに今までとは違うスタイルで売ろうとしてきているため、地下だった(カコ)という見方も出来るかと。
  • 布教する意図は0ですので、参考になる内容は一切書かれていません。主観で引っ掻き回しています。有益な情報が欲しい方は公式Twitterへ!

9bicについて

Yapp! と米村海斗 がプロデュースしているメンズアイドルグループ。コンセプトは、現在を生きる王子様。

▼メンバー

市川慶一郎ツンデレ王子~

 
 
 
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(学力面で)頭が悪い(どう考えても)痩せすぎ(その歳だと制服キツいねって言ったら)雑なツッコミをする(友達の顔を覚えていないため)成人式を5分で帰る(強制されたインライ)で不機嫌になる!彼を構成する要素をピックアップしてみました。なぜマイナス面のみを羅列したのかというと、ワテなりの愛情表現だからです。

最年長で芸歴も長くMCなどでもグループを引っ張る立場にいるものの、特にハコイリムスコでは、秩序を保つどころかむしろ乱しています。「苺は上が甘くなくて下が甘い」という最近学んだことを質問するフリをしてクイズにしたり、恋愛観について赤裸々に語る動画で永遠にハリーポッター縛りでボケたりと。メンズ地下アイドル広しといえども入浴中にFANTAを飲み干すの絶対に僕の推しだけなのでここだけは誇っていきたいな。

こんな自由奔放で射貫くような鋭い視線の最年長がいたら、普通は全てが崩壊しそうですが、メンバーの尊重と許容によって成り立ってる感じがする。それは市川さんがスーパーアイドルだからで、色々ひっくるめた人間関係を保っている9bicさんはとても良いです。

なんとなしに市川推しを名乗り毎回物販に通っていましたが、最近ようやく推せる要素を発掘しました。それは「特典会でハグしてくれなくなったの?」という素朴な疑問に「そういうことをするために(アイドルに)なったんじゃない!」と答えていたからです。ハッキリ言えるアイドルがいてくれることは本当に救い。

双葉小太郎~全力オタク~

 
 
 
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ビジネスでは無くガチのオタク。僕にとっては推し被り(琉弥)。動画内では奇声を発していますが、 極めて一般的な感性を持ち合わせているので、日常会話を求める方におすすめ。最年少ではあるものの、どのメンバーともバランスよく接することができ、人徳もある副リーダ的ポジションです。

椚三波斗~みんなの弟~

端的に言うと、椚三波斗は怖い。なぜ怖いのかといえば、言動を「あるある」で処理できないから。ここでいうあるあるというのは、いわゆるアイドルにおけるパターンとしてです。

ある日の物販で「市川くん推し」と言っただけで、「市川くん推しなの意外!こたかと思った」と驚かれたのは、的を得すぎて驚きました。琉弥推しの男って、椚さん派が多いよ。小太郎くんは残念だけど、推しに似なかったね。

四季涼雅~顔ラン~

 
 
 
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アイドルグループで顔ラン担当を名乗る場合、顔面以外あまり注目されず、それ以外パッとしない変な人という立ち位置になりがち。ですがこれは9bicの奇妙なところで、メンバーのキャラが濃すぎるため、四季さんの場合は優しい人という個性に変わります。

僕が思い描く顔ランは、プレイボーイこと光源氏でしかいなかったので、個人的な顔ランのイメージが急に健全なものになりました。華やかな外見とは大きくギャップを感じるほどに、中身は少し抜けたところもあって、ナルシストとはかけ離れた位置に彼はいます。

クセの強い過去もあり、ただの良い人で終わらないのでますます好感度が上がります。男らしさを感じる場面を見せる機会が多く、個人的には友達になりたいタイプです。

仮屋瀬さつきミラクルボイス

 
 
 
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「よそ見してる人も僕しか見れないくらい大好きにさせるから覚悟してね」を夜中に投下できる人。デビュー前に10kg以上痩せた人。山田涼介さんといい、アイドルスキルが高い人は低身長なのでしょうか。

六花清春~ミステリアスボーイ~

声が小さい上に全然喋らないし、Twitterでは年齢詐称するし(クレームが殺到したため、2020年の8月に修正)、この人は大丈夫か心配していましたが、メンバーと打ち解けるにつれ、箸の持ち方を注意できるまで関係性が変わった頃には、冨岡義勇のようにすくすくと成長してほしいと思うようになりました。

地頭が良いものの、グループ内では終始イジられています。髪を染める/ピアスを開けるなど、陰キャ売りらしからぬ行動と、本当は根っからの陽キャ疑惑が浮上しているのが理由です。「僕のことは本当に陰キャで引いた」と言われた人もいますが(ex.双葉さん)真相は果たして……?

垢を抜ける→脱陰キャ が成り立つのかは分かりませんが、遅れてきたエースの人気と実力がどこまで伸びていくのか楽しみです。

▼ファン層

多国籍化が急速に進んでいるといっても過言ではない。オタクコミュニティは何かしらのカラーが反映されがちですが、公立中学のように色んな人種で溢れています。責任は取れませんが、ピンのフリル 水玉セーター インディゴスカート といった月島きらり「はぴ☆はぴサンデー」でしか有り得ないファッションでも浮かないでしょう。

 9bic>>>M!LK>>>JUMP>>>宮世琉弥  これが何を表現したいか分かりますか?正解は現場にいる男オタの割合です。ワンマンでキャパ800ほどなのに、あのEBiDANよりも間違いなく多いです。案外ジャニーズは割合的に少ないよ。チケット取れずで在宅が多いってのも一理ある。

▼曲

  • 間奏でメンバーが炒飯をパラパラしますが正気です!
  • 美 少年にも無いメンバー紹介曲があります!
  • ちゃんとオタクがガチ恋口上する曲もあるので、完全に地上の気持ちで現場に来ないでください!

▼グッズ

カラチェンペンラや生写真などの定番グッズから、ガチャガチャやYAMeNAYO!ストラップなどの変わり種まで。いっぱいお金を使えますね♡♡

過去グッズも順調に捌け、売れ残っていた市川慶一郎生誕タオルも売り切れる快進撃。3月14日の物販で「生誕グッズ、マスクの方が良かったんじゃない?」と失礼なことを言わなくて本当に良かった!

▼ライブ

今後同じような形態でライブする可能性は低そうですが、参考として個人的過去一な定期公演の流れを書いておきますね。

 

 9box vol.6 ~Rikka Kiyoharu Birthday Event~@ Studio Freedom

14時30分:整列開始~15時:開場~16時:開演~17時過ぎ:終演

1.夢喰いヴァンパイア

2.gimme

3.中辛エクスタシー

-六花王

-Youtube先行公開【スーツ】

4.koi-wazurai

5.secretlove

6.夢ファンファーレ

7.ONE!

【アンコール/清春Tシャツ】

8.Police hunter

-メンバーからのお祝いメッセージ

9.congruity

 

コールが会場を揺らすアッパーチューンをメドレーで畳みかけて、エネルギッシュに幕開けして客席を沸かせる。最後は爽やかな余韻が漂う中で、「以上、僕たちが9bicでした!」と言って笑顔を輝かせた姿が頼もしい。コールは別として王道なアイドルのライブを見れて嬉しくなった瞬間でした。

9bicさんは変わったことをやっていることが好きだけでなく、キラキラしたアイドルを見ているのが好き。どちらのニーズも上手く満たせているのではないかと。本人たちもライブ中は良い意味でクセが強くなく、取っ付きやすいです。

(コロナの影響で全て中止になってしまいましたが)発表されていた4月のスケジュールでは、対バンは1本のみ。新たな試みとして、「平日のライブをもっと手軽にもっと9bicを楽しもう」をコンセプトに掲げ、定期公演と同じ会場のfreedomでmini定期公演を始めようとしていました。さらに基本は無料で楽しめるJOL原宿でのライブも増加。そしてポイントカードシステムの廃止。6月に行われる予定だった豊洲PIT公演に向けての計画が狂ってしまったのは大きな誤算だったことでしょう。

7月18日には初の無観客ライブ「9bicといっしょに夏1番の思い出を作りませんか?」が開催されます。アーカイブ無し、グッズ5000円以上購入者から抽選で20名にメンバー全員とのビデオ通話1分という謎特典など相変わらず強気な姿勢です……(1分で全員と満足に話せるのかよ!というのは誰しも思う疑問)。メンバー脚本のミニドラマもあるので、カオスな空間になることを期待しています。

▼外部仕事

色んな力を借りて、原宿ジャックという名の竹下通りジャック、109で期間限定の POP-UP SHOP を開店するなど精力的です。

 ちなみに、僕が最後にメンバーに会ったのは、市川くんとさつきさんが出演していた、戦国武将の末裔たちが繰り広げるイケメンだらけのハイスクールコメディ舞台『戦国学園~令和決戦!天下取り~』です。この虚無感にピンときたらなかなかですね。何を隠そう、いま世間を騒がせている「新感覚!スペクタクルステージ『THE★JINRO』-イケメン人狼アイドルは誰だ!!-」と同じく有村昆が関わっているからです。9bicのオタクが後ろ指を指されなくて本当に良かった!

 

 

メンチ地下の印象

かなり複雑な文脈の上に成り立っているため、対バンのメン地下しか知らない僕が説明することはかなり難しいのですが、頑張ります。

▼ライブ

ジャニーズなどと違ってオタクがセトリの話をしないのを疑問に感じるのは、見当違い。月に20本を超えるようなライブの本数は珍しくなく、さらに持ち歌が少なくて(対バンでは)概ね20分枠なのでセトリも何もないからです。当時ビトラ先輩に文句を呟いていた方に見せてやりたい……。

対バンで衝撃を受けたのが、目当てのグループの出番が終わると最前を陣取っていたオタクが急ぎ足で会場から出て行き、フロア後方で地蔵していた方々がダッシュで移動するのを繰り返す光景

結果的にワンマンで人が集まらなくて招待特典を実施する、それは仕方がないこと。ただ、招待特典のために召集させられた普段顔を合わせない勢による同窓会が会場ロビーで開催できるという隠れたメリットもあります。

▼オタク

ジャニオタ/俳優オタ/スタダオタなど各界から流れてきた最終漂着地点。手馴れてます。

オタクを観測して面白いのは、推しの評価があたかも自分の評価に直結しているかのような感情を持つことです。1番じゃなきゃ気が済まず、周囲に圧をかけるタイプ。推しの名誉は直接自分には関係ないのに、関係があるかのように錯覚してしまう。

地下に限った話ではありませんが、競争で一番になりたい人たちにとって、撮った枚数という分かりやすい指標があるゆえに、のめり込んでしまう傾向はあるんでしょうね。

▼特典会

他人のイチャイチャには絶望感を与えられますが、メン地下の接触は見渡す限り人間がイチャイチャしているので、空間全体に狂気が蔓延していて非常に愉快。大きく言うと、チェキ列はディズニーランドと相似でしょう。過激なチェキを撮るために積むというのは、一般人の大きな誤解。チェキ<推しと会話したい の価値観が多数派です。

なので、妥協策として生まれたオンライン特典会は……。僕は心理学を専攻していないので分かりませんが、お金を落とさせるためにも直接相手の目を見て話すのは大切な気がします。推し被りに直接マウント取れないってのもあるけどさ。

普遍的な問題点として、演者側がメン地下というジャンルで生計を立てるうえで、特典会が欠かせなくなってしまってる現状に対する辛さはあるんじゃないかな。ほぼ素人みたいなアイドルが売る商品として、チェキ1枚=1000円の接触は高い。だから、本来の価値と値段の間にあるギャップを埋めようと意識して、過剰接触をするのかもしれない。ここの営業は、現実にはあり得ないようなことを言ってくれるからお金を払う価値があり、裏を返せば言葉、冷静になってしまえばそれでおしまい。よって、オタクを続けるにはいかにして長く非現実の世界に浸れるかが鍵を握ります。

一方オタク側は、界隈が大きくなるにつれ自分とメンバーの物販の時間が短くなるマイナス面が目に付いてしまい、更にファンが少ないグループに流れていく現象があります。

音楽を聴いてもらいたい!接触の方に熱意を持ちたい!の対立。オタクとアイドルという価値観が違う同士の人間が関わり合うにあたっての、一種の折り合いの付け方とは、、

YouTube

新たなファン獲得のために乗り出したグループも増えましたが、正直全く盛り上がっていません。収益化できていない(できそうにない)のにわざわざ労力を割いて投稿する意味とは?と普通に頭を抱えてしまいます。

投稿された動画をざっくり分類すると①YouTube界の定番ネタ/②メンバー紹介やライブ映像などグループを知ってもらうもの/③BL といったところでしょうか。これはメン地下に限ったことではありませんが、BLは再生回数稼げます!

冒頭でチラッとふれた花札ブラザーズを例に挙げると、北村匠海さんの「猫」歌ってみたが1.4万再生、自宅での料理動画が1.2万、濃厚キス10連発が23万、リップクリームチャレンジが10万……。

これを有用(?)し、サムネで釣ったり、18禁/BLという再生リストを作ったりする運営もあります。レッスン等積み重ねてきたものより、ただメンバーとイチャイチャした方が注目されるなんて皮肉なものですね。

▼繋がり

たとえ事実が明るみになっても、繋がった側のオタクを出禁にして、アイドル側は内々に怒られるのみで、公にはお咎めなしというパターンが多く、うやむやにされがちです。そんな中でも清々しい事例を紹介します。

〇京都男子

昨今のアイドルシーンを見ると、違反行為が発覚しても、公にせず続けるかもしくはあっさり軽い脱退の発表があるくらいなのが普通だと思います。これくらいほっとけばよかったのに、というお声もあるかもしれません。プライバシーもありますし細かくは言いませんが、かなりひどいものでした。

京都男子より重要なお知らせ より

センター現代文(評論)の分量は多くても4000字、京都男子より重要なお知らせは約5000字。問題の素材として使われてもおかしくないおびただしい数の文字に圧倒されがちですが、引用部分だけでもかなり辛辣な内容となっています。

 

あとがき

最前どこ空いてる?今日整番から来る?あれ誰だろ軽率じゃね?この箱狭すぎ?何で頑張ってるのに干されるの?出番何時から?物販どこ?今日どっちのキャメロットだっけ?

そんな声が聞こえてくる日常に、早く戻りますように。