理想の形がいいね

おうち時間を機に開設した一般男性の記録帳。

コロナ禍で迎えた9bicの1周年記念ライブ

リアルな現場があるからこそ、オタクとしてのアイデンティティが生まれるのではないだろうか。

チケ発の駆け引き、現場を回すため翻弄、メイクや服装へのこだわり、推しに会うことで物質が分泌されてハッピーに!など。

 

インライやリプ返などオタク社会が平等になるという予想外の恩恵も受けましたが、特に配信ライブは合わないものでした。必ずしも自分の観たい部分が画面に映っているとは限らず、完全燃焼するのは難しいからです。これがライビュを参戦歴に加えるのはどうなの論に繋がるんですけど

一方で、舞台は静かな空間だからこそ成り立っている作品がほとんど。近くに人がおらず集中していつも以上に役者さんの芝居に向き合えたので、配信は返って有難かったです。

 

緊急事態宣言が解除され、6月にはアナフェスが再開し、タイテを見てコロナ情勢をふわっと理解するという境地に辿り着くほどに。7月には約4ヶ月ぶりの現場、私モテの舞台挨拶に行ってきました。もちろん国宝級イケメンの神尾楓珠くん目当て!!!イケメン同士のカップリングが好きな腐女子なのにモテまくる映画の舞台挨拶で~~~みたいな報道されなくて本当に良かった!(イケメン人狼アイドルがワイドショーで報じられた直後だったので……)GoToキャンペーンも始動し徐々に経済も回り始め、8月に入ってからは隔週ペースで動いてます。

 

꙳★*゚꙳★*゚꙳★*゚

そもそも僕が1番に推している宮世琉弥くんは、1月にグループを卒業。今年は俳優として飛び立つための準備期間と本人が位置づけていました。現場数がめっきり減る1年を覚悟していたので、他と比較して「会えない」精神的ダメージは少なかったと思います。

ですが、当時(2019年12月)は卒業のショックが大きく、心の拠り所的な意味合いで2020は9bicに割く時間を増やそうかと悩み続けました。特に、年明けすぐの六花清春生誕祭は心を掴まれた現場。気持ちが傾きかけた中で会える機会が無くなり、冷静さを取り戻してしまい……

今回はそんな9bicのお話。収容人数50%以下という苦しい条件の中で実施された 1’st Anniversary Live @豊洲PIT の感想 がメインです。

マスク物販となった2月28日はオタクのほとんどが楽観視し、逆にマスクでチェキ撮れるなんて貴重じゃん!という声も聞こえてきました。まさかこうなるとはね……

 

 

9bic 1’st Anniversary Live ~現在を生きる王子様達の物語~

▽開催に向けて

キャパ3000に対して、最速先行だけでも約6000件の応募!二次販売あったけど。それが9月5日へと延期となり、感染予防の観点から以下のような対策をとりました。

 

  • 収容率50%以内の上限があるため、キャパを3016人→1508人へ
  • 開演を1時間繰り下げ
  • 公演グッズはオンラインストアでのみ販売
  • 入場時のマスク着用・検温の実施
  • 渡されたリストバンドでブロックが決められ、さらに床がマス目状に区切られ1人1マスでの観覧
  • 半券の裏面に名前と電話番号の記入→名前@立方隊にして媚を売れば良かった???

 

▽感想

鉄は熱いうちに打てということで大雑把な感想を書き残します。

 

Aaliah

豊洲PITそして画面の向こうで開演をいまかいまかと心待ちにする中、まずはVTRで現在を生きる6人の王子が物語風に紹介され、それぞれの国を治めた歴史が説明される。続いて暗転すると、あの衣装を身にまとったメンバーがお城風のセットに登場。「豊洲~俺らから迎えに来たよ!」市川王子のもてなしに、会場のボルテージが髙まった上でのパフォーマンス。ノスタルジックなムードの中でまっすぐに前を見据える姿は頼もしかった。

 

proof

「忘れられない1日にしてやるよ、盛り上がっていこうぜ!」と立方隊を歓迎し2曲目へ。王子様がファンに♡を届けるような振りが、どこからでもここに来ることができ、ここからどこにでも行けるような、不思議の国の魔法に見えた。好きだった絵本を開いたとき、こんな色とりどりの光が両目いっぱいに広がっていた気がする。

 

gimme

コールが無い、静まった間奏。推しが意味不明なキャスティングされた映画の舞台挨拶に登壇した監督が変なヤツで、しかもその暴走を制御できず困惑するといった虚無タイムを過ごすことになるかと心配していたが、君を強く求める激情を表現出来ていたのではないだろうか。

 

中辛エクスタシー

チャーハンをパラパラする振りが特徴的な人気曲。「反則技」でのダブルピースから「甘口の調味料」で手を〇/する市川さんはキュートアップテンポなナンバー続きで一気にオーディエンスが熱くなる。

 

make up(新曲)

若き水のプリンスと漆黒の王子。敵でありながらも協力して悪に立ち向かっていく覚悟を決めていく様を、迫真の演技と棒読みの演技で届け、戦いのシーンでは剣の達人として見事な殺陣(慶ぴょんアクアブレイク/僕は陰キャラじゃないホールド)を披露。喧嘩した2人の素直になれないもどかしい気持ちが描かれ、それを表現するように力強く歌う。地に足の着いたリズムと息の合ったダンスで見事に世界観を創り出し、会場を染め上げる。

 

creature

消えた四季涼雅を探し出す映像が上映され、自分たちのカルテを発見し囚われる(?)展開に。6人の変貌する様子がスクリーンに映り、最後にcreatureの文字が現れると音楽が鳴り響いた。色気をチラつかせながらの繊細なソロプレイや、りょがみなによる息の合ったアクロバットで新境地を切り開く。

 

夢喰いヴァンパイア

スモークと光で幻想的な演出が施され、思わず見入ってしまう。特にこれといった感想が無いというわけではありません

 

9bic melody

それぞれの個性がにじんだ自己紹介ソング。市川さんは「僕の心は豊洲PITと同じくらい広いです」と冗談を飛ばしたり、椚さんは「俺の事を一生好きでいて」と呼びかけたりと、アレンジにもキャラクター出ていた。

 

ハコイリムスコ

息を止めて背伸びという歌詞に合わせて手を頭に上げる振り付けが、ファンとメンバーそれぞれが同じ歩幅で進んでいることを象徴してくれているかのよう。何度も笑顔を向けながら突き抜ける明るさで表現する様子に口元が緩む。

 

ありがとう(新曲)

まずはミラクルボイスさつきさんがアカペラで曲を牽引し、そこに小太郎さんのピアノ伴奏や、残り4人のハーモニーが加わった。たくましい歌声とコーラスは壮大な響きを為して、どれだけ大きな会場でライブをするようなグループになっても、この先を立方隊と歩いていくことを約束する。感極まり目を潤ませながらも伸びやかな歌声を響かせる姿がそこにはあるから、疑う余地はない。

 

カフェラテ(新曲)

中辛エクスタシーのアンサーソング(女の子視点)。キスからはじまる恋愛なんて信じられない、告白のセリフを待つもどかしさが、キャッチーな振り付けに散りばめられ綺麗。きよこたカフェがオープンした間奏は唸らせられた。

 

99% 

アイドル業の範疇で音楽を使ったエンターテイメントだなと。(声が出せる状況であれば)こうアクションを起こせばこんなレスポンスが返ってくるだろうと予測して先手を打つ。ライブの中で最もバランス感覚の良さが光る。

 

secretlove

さつきさん、間違えて声を出せと煽ってしまい後のMCで「逮捕してください」と2回もアピールしたのにガン無視される。充実感に満ちた晴れやかな笑顔を観客に向けながら歌い踊り、エモーショナルに本編を締めくくった。

 

policehunter

ライブの興奮を引きずったまま、ファンが熱いアンコール(拍手)で6人の再登場を求めると、メンバーはツアーTシャツに着替え再登場。「豊洲PITで盛り上がってないやつは逮捕だー」と呼びかけpolicehunterへ。ファンも彼らの煽りに、ペンライトで応える。

 

そんなの好きになっちゃうじゃん。

「アンコールしてくれるなんて、そんなの好きになっちゃうじゃん」と(心の中で)黄色い歓声を誘う。その言葉通りポップな中にも熱い想いを感じさせ、辺りは歓喜の渦に包まれた。サビのペアダンス◎

 

MC

▼市川慶一郎さんのコメント

辛いのを乗り越えてここまでやってきてね。清春が加わってどこよりも強いグループになったんじゃないかと思います。

ここに辿り着くまでの道中で、最年長として、リーダー的ポジションとして、何度も(他の)5人を鼓舞させてきた市川さん。言葉を選びながら、答えに価値を付加させるようにゆっくりとした速度で、一音一音をくっきりと発音していたことからも、1周年への思い入れの強さが伝わる。(事実、再登場してのパフォーマンスは、その言葉が嘘ではないことを証明してみせた)

(今まで)ありがとう、(これからも)よろしく。これまで僕の人生の中で何度も出てきた特別な言葉を、今までとは違った形で受け止めさせていただきました。

 

▼双葉小太郎さんのコメント

たくさんのファンの方に支えられてここに立っています。なので歌やパフォーマンスで恩返しが出来たらなと思って常にアイドルをしています。

半沢直樹で「恩返し」は話題のキーワード。でも実は宮世琉弥くんを語る上でも欠かせものでした。

 

1月31日をもって卒業します。これからは、俳優として恩返ししていきます。みなさんをてっぺんまで連れていくね。

正しかったって思われるように人生かけて恩返ししていきます。

生誕祭で配られた手紙から抜粋

 

 ツアーやキャラアニも含めると15回は聞いたかな?

 

 恩返しくらい誰でも言うだろうっていうのはごもっともだけど、言葉が詰まることなくスムーズだったからあえて狙ったものとして解釈するね。正直これを聞いてドキッとした。別に琉弥の意志を引き継いでほしいなんてこれっぽっちも思ってないけど。けどけど、こんな潤んだ大きな瞳で声を震わせながら大切な約束を交わされると、そんなの好きになっちゃうじゃん。

 

congruity

「切り替えて最後の曲になります!」横一列になり肩を組み合った。これぞ温もりを感じさせてくれる大団円。ハッピーエンドではないだろうか?涙ぐみながらの6人、きよこたのハグ、ペアでの背中合わせ。君の涙は僕らの涙という想いが伝わってくるのには十分すぎる姿だった。

 

ONE!

「最後まで楽しんでいきましょう」ダブルアンコールは笑顔で幕開け!メンバーとファンの心が重なる瞬間が満載のなステージに心も体も踊りっぱなし。

 

loveSPLASH

 

mysweetgirl

ペンライトの光が優しく揺れる中、メンバーは柔らかな表情を浮かべ、丁寧にこの曲をプレゼント。特にラスト、足を1歩1歩踏み込みながら階段を登っていく市川さんに胸がジーンと熱くなった。(ダッシュで駆け登る、1段飛ばしするメンバーもいました。個人的には非常に無理なんですが、これも個性ということで受け入れましょ)

 

ステージの上段に並び、静かに前を見据える6人。「2年目もたくさん頑張っていくので応援していてください。以上、僕たちが9bicでした。ありがとうございました」 会場が感動的なムードに包まれる中、ライブを終えた9bicは大きくお疑義をした。

メンバーが舞台をあとにするとスクリーンでは、「ありがとう」に乗せメイキング映像が。クレジットのスペシャルサンクス:立方隊の文字に拍手が巻き起こると、ライブ直後(てい)のメンバーたちの映像に切り替わる。「ここまできたら次の目標は、全国ツアーとか回りたいな」と落ち着きながらも力強い宣言をすると、2020年12月13日~2021年3月6日の文字が。最高にワクワクする2年目は始まったばかりだ。

 

▽今後の展望など

アイドルが客席と相互作用することで創作する!これがコロナ前のライブでした。特に9bicは、良くも悪くもコールで空気を塗り替えていく印象が強く、椚さんが体調不良で欠席されたライブは~~~~~。なので、コール禁止・マスク着用になった新しい形式に不安感じていました。アイドルが作り上げてきたものを鑑賞するという一方通行なものになるんじゃないかと。

 

しかし、 蓋を開けてみれば第三者ではなく当事者として巻き込まれていくようなライブ構成!豊洲PITという大きなステージでの歌声は、今まで聞いたことのない魂のこもった叫びのよう。持ち歌をすべてやることにこだわっているのも◎パフォーマンスが終わったあとの達成感に満ちた全員の笑顔も目に焼き付きました。ありったけの愛が込められ、6人が"そばにいる"ことを強く感じた幸せな2時間半。この唯一無二のハーモニーは、これからも多くの人の胸を捉えて離さないはずです。

 

僕には、分かりやすいアイドルらしさが9bicの売り(差別化出来ている)ように見えます。ただただ彼らは、カワイイ!カッコイイ!考察しようがないくらい真っ直ぐで尊い存在じゃないですか!だからTHE王道の「そんなの好きになっちゃうじゃん。」は大事に育ててほしい曲になっています。

 

 

よくアーティストが口にする「今までの中でサイコー/今までに無い」がずっと辛かったです。会う度にアイドル側が成長するのが、強迫観念だとすら思えてしまっていたから。でも強制的に会えない時間を経て、豊洲のステージに立つ9bicからは、そんな不安はどこかに吹き飛びました。